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[同人] 【暗夜嘉年華|百鬼夜行】【宮三】青い刃(10月9日更新三)【完結】

【暗夜嘉年華|百鬼夜行】【宮三】青い刃(10月9日更新三)【完結】

白組11号' d6 V) [+ N" ~2 H& V! E. _
寿受主义——爱就是给他全部!6 S1 S7 L. U. ^6 t
Special thanks to 飛筝さん!!micchi14.net& Z7 }' f! E7 T2 |
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『青い刃 上』 原著∶gomafu 译文∶飞筝
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4 y5 Y" `* a4 f2 U" w) |[三河一向一揆]:1563年、一向宗の本證寺を中心とした三河三箇寺(三河国の三つの大寺院)と反家康勢力が手を組み、領主の松平元康(後の徳川家康)と半年に渡り戦った、家康三大危機の一つ。一説によれば、この戦は本證寺に侵入した無法者をある城主が捕縛したことが発端であるという。
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9 C: O+ ]$ t  B" |) z寿受主义——爱就是给他全部! ぴしゃぴしゃと水しぶきをあげながら、三井は山道を駆け下りていた。
/ [4 S% ]0 O/ S4 A 夕餉の菜にと山菜を取りに出たのだが、アカザやカンゾウなどをいくらも取らぬうちに雨が降ってきた。幼い弟達の腹を満たすため多少の雨にくじけてはおられぬと、滑る斜面に足を取られながらも粘っていたのだが、いよいよ釣瓶をひっくり返したように雨が降り始め、斜面をすべりおちかけるわ、目はまともに開けられぬわで、これではとても仕事にならぬと山道を引き返してきたのだった。' c- y' k' l: S! J, b' e
 着物も帯もぐしょぐしょに濡れそぼち、落ちてきた雨をただ下へ通すだけの通路に成り果てている。視界が悪いため、落ちていた石に足を取られてまともに尻餅をついた。もう、これで何度目か!三井は腹立ちまぎれに右手にあたった小石を掴んで投げ捨てた。全く、こんなところに転がっていやがって、手に刺さって痛てえじゃねえか!4 I8 y9 I" A9 _7 Q* Z: ?- C8 Z
 カツン、と投げ捨てた石が硬い物に当る音がして、三井は音がした方向に目をやった。一面に丈の高い草が生い茂ったその下に、二つの岩が突き出している。岩と岩の間には幾重にも絡まり合った蔓草が渡り、その下に、人が入れる程度の空間が出来ている。奥行きはある程度以上はあるようで、雨雲と木々に天を覆われたほの暗い山中では、突き当たりは見えなかった。
( d/ `( j5 Z( h7 _' r& v6 f/ Nmicchi14.net8 o# J7 _3 ]- _
(この中なら、一時雨露を凌ぐことが出来るかもしれねえ)寿受主义——爱就是给他全部!- c1 n" A' j) G% U; o
寿受主义——爱就是给他全部!  U( J& ^* `! j6 L( k; Q7 X/ b) b
 三井は立ち上がり、背負い籠を下ろして、ごそごそと岩の間の空間に入った。岩の高さは三井の腰よりやや高いという程度で、中へ入るには背や膝を折り曲げねばならなかった。寿受主义——爱就是给他全部!2 d' }2 q8 p' a2 e# x8 o: J; C

/ d" J1 X* d# ?; L: z1 @寿受主义——爱就是给他全部!「くっそ、狭めえなあ!」; G+ t8 b* y5 P( u) e5 F
「悪かったね」
3 J3 d# f! E+ B「うわっ!!」% ~& d# z3 w# K8 {' {* o5 A! Z

; `+ i6 k5 o5 x' @5 P7 U背中から岩の間にはいりつつ、思わずひとりごちた三井は、突然背後からした声に驚いた。振り返ると、穴の内部は意外に奥行きが広く、入り口以外は幾分天井も高くなっていた。その中に、一人の男が座っていて、ぎろりとこちらを睨んでいる。micchi14.net; ]% x: P  [* z$ I6 ?

- q  ]: R7 h) R9 O「ずぶ濡れで人んちに入ってきといて、随分な言い様だな」
0 {; b. o; C2 @2 `6 t「え??ここ、お前んち?」, ?* i, j+ Z4 B! u
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再び驚いて周囲を見渡す三井に、男は険悪な目つきを更に悪くした。寿受主义——爱就是给他全部!% c  x% b5 c$ \# c
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「つくづく失礼な人だなあ。そっちが勝手に入ってきたんだろ?気に入らないなら出てけよ」7 l4 v( g0 ]7 M- `) o' V
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三井は慌てて男に謝った。
0 N8 O6 S% A$ k. O3 l寿受主义——爱就是给他全部!
! a- O. R& m% D: C9 p& V# ]寿受主义——爱就是给他全部!「ああ、すまねえ。こんなとこに家があるなんて思ってなかったからよ。ひでえ雨で参ってんだ。ちょいと、軒下を貸してくれよ」
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言い終えて、三井はくしゃみを二つして背中を襲った寒気に身震いをした。雨に体温を奪われたようだ。穴の奥の男が舌打ちをしたのが聞こえた。
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「しょうがねえなあ。中に入んなよ。今火をおこすからさ」- ?! v. f& v5 h; h4 p3 Z9 ?6 x
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口調から想像されるほど悪いやつではないようだ。三井は「悪いな」と言いながら、男の言葉に甘えて奥に入った。+ k- T+ r" `, P: P
 熾された火を隔てて改めて見れば、男は彫りの深い顔にぐるぐると巻いた毛髪を持つ幾分小柄な青年で、年の頃は三井と変らぬようだった。男は三井の腰のものを見、次いでボロボロの烏帽子が頭に引っかかっているのを見ると、傍にあった布を被ってさっと顔を隠した。micchi14.net, |. F  l8 N+ H' t( ~3 v5 y
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「あ・・・・・・あんた、お武家さんだったのかい」
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三井は男の反応に驚いて、腰の刀と落ちかけた烏帽子に気がつくと、照れたように笑った。* m; V4 Q& d4 U. e
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「あ・・・ああ、まあ・・・"元"ってとこかな。今じゃもう家も親もねえし、草鞋や馬草を売って暮らしてる。こいつは親父の形見なんで、未練たらしく持ち歩いてるだけだ。だからそうかしこまんなよ」
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* l8 m3 ^/ {/ L0 P# j# N男は小さく「そうかい?」と言うと、顔を覆っていた手を僅かに引き下げた。
3 b& R5 Y2 }; I( b, c 三井は周囲を見回した。どうやらここは、山の斜面をくりぬいた洞穴のようで、奥には男の粗末な生活用品が置かれていた。いくつかの土器、冬場に被っていたのだろう鹿の毛皮、いくつかある籠の一つには刈り取った苧麻が挿されていて、立てかけられた木の枝には細く縒られた麻糸が巻きつけられていた。
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「お前、弦召そ(弓弦を作って売る賤民)か」
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三井が聞くと、男は細い眉をゆがめた。
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; U& W! B, H& w$ r寿受主义——爱就是给他全部!「ああ。まさかこんなところにお武家さんが来るなんて、思ってもみなかったもんで・・・・・・」
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三井は慌てて手を顔の前で振った。- T6 |" l* V3 z3 n3 b
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「いや、咎めてるわけじゃねえんだよ。ただ、神社もねえこんなところに弦召そなんて珍しいなと思っただけだ」
) w3 D# Y& ]# k2 x- n2 Y: l: t# O8 b: v4 [1 e
男は布の中でくすりと笑ったようだった。3 x+ G+ X  f6 P  U, }
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「まあね。それこそ、訳ありのはぐれもんなんすよ」
1 E7 X' `8 f9 i* ~. L「そっか。そんじゃあお互い、訳ありのはぐれもん同士、仲良くしようぜ」micchi14.net/ F" n7 `& E( z% ~; p' K, C
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三井は男に向かって「にっ」と歯を見せて笑った。男もようやく被っていた布を外した。" N; s/ o9 e- U& O

$ V3 V$ s4 i8 M% ]7 L1 d「アンタ、変ってんね」1 L3 e! _6 A+ {7 o
「そうか?自分じゃよくわかんねえけどな」寿受主义——爱就是给他全部!+ K, `9 E" z1 s" H- p, y: m* E+ o7 {

( H9 p" a1 F, C" _; D  z三井が首を傾げると、男は生意気そうな顔の口元を綻ばせた。笑う男は、存外に幼く見えた。
+ E! i4 u- e9 A3 ~' H) T 突然、草木を叩いていた雨の音がさあっと止まった。三井が入り口に目をやると、徐々に濃くなってゆく茜の色が目を焼いた。三井は背負い籠の中を覗いて言った。
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5 f" t% Y& d, O* y5 N6 fmicchi14.net「畜生。やっと上がったと思ったら、もうこんな刻限か。もう一度菜を採りに、山に入るわけにもいかねえなあ」
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! A& ]: M9 ]$ N  m3 R頭を掻いてぼやく三井の前に、つい、と立派な瓜や豌豆の入った簀桶が差し出された。三井は驚いて、簀桶を差し出す男を見た。micchi14.net% J0 I7 M1 r% ^2 |7 S1 m' f6 _
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「お武家さん、持っていきなよ。オレみたいなもんから施しを受けるのは嫌かもしんないけど、この山で採れたと思えば同じだろ?」
0 @3 X+ N, e6 X  i, Q- p3 ?「その、お武家さんって言うのはやめろよ。今は違うっつってんだろ。つうか、いいのかよ。こんなに貰って」
) ]1 ^9 V; X$ J  ]' N0 T: a: U7 o「いいよ。あんたの言った通り、こんなところに弦召そなんて珍しいからさ。それだけによく売れる。そこそこ実入りはあんのよ」
# k. b( ^3 c, O. k# I「そ・・・・・・か。いや、有り難てえ。弟達が喜ぶぜ。この恩は必ず返すからよ」寿受主义——爱就是给他全部!- j* [; T' {4 J0 Q6 y
寿受主义——爱就是给他全部!& G; [% T. w+ O
三井が軽く簀桶を掲げて頭を下げると、男は「んな、大げさだよ」とまた笑った。' L4 v$ q$ E1 e- K) l8 z) H

. F1 W. {5 C7 J「俺は三井。三井寿ってんだ。ここの麓の吉良の町に住んでる」micchi14.net( A) k8 C1 n) f- v
「オレはリョータ。吉良の町には、たまに弦売りに行くよ」
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7 Q% ]% Y, P3 ?/ q- }三井は微笑んだ。9 r4 N8 f) v& p. N
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「そっか、なら、また会えるよな」5 j# m6 T* J7 v; T' W  Z  b
「多分ね」
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三井は簀桶の中身を背負い籠に入れ、空の簀桶をリョータに手渡した。ずぶ濡れだった着物も、焚き火の熱でほぼ乾いている。三井はごそごそと穴の外へ出た。振り返ると、リョータも後について出てきていた。% {6 ~$ h! M9 k5 w
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「いろいろありがとな」
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3 e/ H5 E& \" m- Y寿受主义——爱就是给他全部!三井が言うと、リョータは浅黒い肌を夕焼けに照らして、瞼に半ば隠した茶色がかった瞳で三井を見上げた。micchi14.net0 B% ?8 N1 I3 e; L1 S9 ^$ C. q8 i

& M5 M, p# d( Z; |「うん。じゃあね」micchi14.net$ T# t! ?) ~4 S4 A
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三井は片手を挙げて、山を降りた。二人とも、なぜかこの時のお互いが胸に焼き付いて離れなかった。
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 三井は、リョータと出逢った三ヶ根山を下りきったところにある吉良の町外れに住んでいた。板敷きがされているため辛うじて厩ではないと分かるような小さなボロ家で、戸板もところどころ磨り減って割れている有様だった。三井はここに、二人のまだ幼い弟と住んでいた。' z+ h2 b$ U2 s6 V
 リョータに言った通り、五年前まではとある国の土豪に仕える武士の子だったが、今ではこの町で草鞋や馬草を商っている。しかし、こんな草だらけの山間の町で、馬草がそうそう売れるはずもなく、まして昨日今日覚えた者が編む不恰好な草鞋など売れるほうが稀で、自然、暮らし向きは苦しく、食べ盛りの二人の弟の胃袋を満たす物を求めて、日々奔走していた。micchi14.net' U, E5 v! V2 q3 r# F" g; Z
 そんな暮らしをしているのに、何故まだ刀を差し烏帽子を被っているのかといえば、それが父親の形見だからでもあるが、弟達をいずれどうにかしてまともな職に就けてやりたいと思っているので、乞食に近いような暮らしをしつつも品格を落とさぬため、いわば見栄で身に着けているのだった。
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 リョータと出逢って二週間が過ぎた。三井はこの間、全くこの町から出ていないのだが、リョータらしき姿はちらとも見かけなかった。「実入りはある」と言っていたが、弓弦を売らぬことには見入りも何もないだろう。だが、この町はリョータのいる山から最も近い町であるにも関わらず、弦を売る呼び声を聞くことはなかった。micchi14.net2 I* x8 [. ?7 q+ A3 }" m$ a( ^
 三井はといえば、リョータからもらった瓜や豌豆は疾うに食べつくしてしまい、三井が採った僅かな山菜もあっという間に尽きてしまった。日々、刈りに行っては売る馬草もなかなか売れず、最後にはただ同然で投げ売りしてしまうので、また食うに困る日々が続いていた。
3 U0 p5 r" k$ t寿受主义——爱就是给他全部! さらには三日ばかり雨が降り続き、思うように馬草も刈りに出られなかった。米櫃の米すら尽きかけて、さてどうしようかと三井は考えあぐね、ひょっとしたらあのリョータは山の菜や魚を採って暮らしているから、弦を売らずとも食べるには困らないのではないだろうかと思った時、弟達の声が聞こえた。micchi14.net  Q( U9 L, n4 u3 G) L4 l0 a2 P

" V% v7 ]/ G9 U+ F3 ?micchi14.net「にいさま、おなかすいた」! q' [; t! |. q5 @/ D+ W  j
「こら、富王丸。兄上を困らせるんじゃない」; Y- |8 w0 {$ e
「う・・・・・・」
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' b: e  ], X+ q1 X; L7 V' |* A寿受主义——爱就是给他全部!自らもすき腹を抱えているだろうに、弟を窘める次男と、それ以上の駄々をこねることのない末弟がいじらしく、三井は膝を叩いて立ち上がった。
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5 C9 m. @9 ?% b/ x1 X& H5 o「よし、兄ちゃんは今から山に行って山菜を採って来る。夕餉までにはたんまり採って戻るから、お前達、いい子にして待ってるんだぞ」
6 x9 k3 M9 W4 A" A" ?: W% g! rmicchi14.net「はい」
. U* {; q; X2 U1 `; W「にいさま、塩もみの瓜がたべたい!」6 ]: e$ V  D( S9 g6 A: p
「ははは、瓜があるかどうかは分からないが、きっと、うまいもの沢山採ってくるからな」寿受主义——爱就是给他全部!8 v+ T* z' [+ T1 N4 J
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余程、リョータから貰った瓜がうまかったのだろう、期待に目を輝かせる弟達に手を振って、三井はまだ小雨の振る中、三ヶ根山へと入っていった。4 p* P% E; ~/ }5 n2 ]
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5 G! q. d2 R$ c: B# e* x3 E寿受主义——爱就是给他全部! 穴の入り口でぷるぷると水を払う音がした。寝転がっていたリョータが目を開けると、洞穴の入り口からタヌキの瞳が一対、こちらを向いて光っていた。リョータは眠そうな目でしばらくタヌキを見つけていたが、やがて頭の下の指を組み直して溜息を吐いた。
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「そっちは足場が悪いのに・・・・・・」
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その言葉に同意するように、タヌキは入り口の軒下に座りなおし、心配そうに外を見つめた。- N7 p4 a6 o9 A# r! V0 L) z$ u
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☆                   ☆寿受主义——爱就是给他全部!: F8 E! n! M, M
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 三井は、前に来た時とは別の方角へ向かっていた。前回の時は見なかった細い獣道をかき分けて見たら、アカザやスベリヒユが群生していて、それをわしわしとむしり採りながら、山の奥へと向かっていたのだった。
- p+ _/ u) w1 S0 p; ~9 u ふと見ると、少し離れたところに大量の葛が生えていた。これは是非にも根を取っていこうと、三井はそちらへ歩み寄った。葛の近くに行くと、足元がぬかるんで、するすると滑りやすくなっていた。これでは踏ん張りが聞かないと思った三井は、右手にあった大き目の石の上に右足をかけて葛の根元を思い切り引っ張った。
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4 k0 b9 V% ~, ]micchi14.net「うわああああああああ!!」寿受主义——爱就是给他全部!5 c- _% J% {4 m# I7 E$ o
寿受主义——爱就是给他全部!# T2 Y: T2 |3 A- A! ?* E4 c& @; o2 A
鬱蒼と茂った山の夏草に阻まれて全く見えなかったが、石の下には地面がなく、ちょっとした崖になっていた。足を踏み込んだ弾みで石が滑り落ち、三井の右足は宙に浮いた。慌てて左足を踏み込んだが水を多く含んだ土はするりと滑って、いびつに歪んだ形のまま、三井は一間半ほどの崖を転がり落ちた。
, ?: O  [4 N3 {: ~$ g寿受主义——爱就是给他全部!! c0 o# y( E8 J( p* L
「いっ、いてててててて・・・・・・」
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2 _! r! i' m: u' A: qmicchi14.net体のあちこちを擦りながら三井は起き上がった。落ちたはずみでその辺の物を掴んだらしく、腕には蔓草が幾重にも巻きつき、滑り落ちてきた崖は草が剥がれて泥土が剥き出しになっている。三井は溜息を吐きながら、腕に絡んだ草を払い落として斜面を見上げた。
* P/ \- k  v+ i5 A. t0 n( z, n+ c寿受主义——爱就是给他全部! 上までの高さは一間半。足場は悪いが、長身で手足の長い三井ならなんとか上がれないこともないだろう。三井はとりあえず立ち上がろうとした。, w6 Z/ e" r0 U

% i9 i, b- G; g2 H4 R「いいっっ!!」9 [( U) i& q& Y# z- \2 x

# k: n. h4 y) V足を踏みしめた途端、左の足首に激痛が走り、三井は再び倒れこんでしまった。どうやら変に捻れた形で落下したため、足を挫いてしまったようだ。三井は足首を押さえたまま途方に暮れた。micchi14.net0 n' j% R' Z# s

' h* p; D. M5 C' h4 Y) |寿受主义——爱就是给他全部!「何やってんすかアンタは。まったく」寿受主义——爱就是给他全部!$ e( a8 w! ~7 i2 d$ Q5 ~8 M
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突然、崖の上から声が降ってきた。三井が驚いて見上げると、生意気そうな半開きの瞳が雨のなかでこちらを見下ろしていた。
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「リョータ!お前なんでここに?」
! ?9 d6 t" z: ^, z# S2 Emicchi14.net1 F# x; ?) X9 M
思わず三井がそういうと、リョータは眠そうな目の上の眉を歪めた。寿受主义——爱就是给他全部!9 b: b2 ?. g1 r6 q

$ m" ]3 v& l$ c" ]「そりゃこっちの台詞っすよ。まったく、なんで雨降ってんのに山に入ってくるかね。ちょっと待ってなよ」6 w& d( v0 ]0 e/ _+ l

5 F  r7 n% T5 A: v% U7 C寿受主义——爱就是给他全部!相変わらずぶつぶつと文句を垂ながらも世話を焼いてくれるようだ。三井は頬をほころばせて大人しく待っていた。しばらくすると、頑丈そうな蔦を編みこんだ綱が落ちてきた。# `* R5 ?- c0 X& S: U

, W4 [' ?  X  j) L9 c% t5 h: ?「そいつを腰にしっかり巻きつけな。縛り終わったらオレが引き上げるから」寿受主义——爱就是给他全部!9 K' `0 ^2 m9 K2 W0 A; X
「わかった。すまねえな」, X* c9 Z& @8 x4 w/ P- E" Q& L

: k5 `3 t2 ~; i5 u0 N2 D0 ~micchi14.net三井は十分な長さのある綱の端を腰に巻き、しっかりと縛った。寿受主义——爱就是给他全部!* [) \) R: n9 ^

; y% k: Y/ i4 ^  V) M- i2 U; k1 U( B" ?「縛ったぜ」, L6 v; w1 Z2 ]3 a# c/ r4 Q* J$ A( W
「じゃ、いくよ」micchi14.net* m. x! U" @9 ?- m2 k& s1 b
micchi14.net0 h) C/ B' P7 b+ n
リョータは、うんうんと綱を引き、三井をどうにか崖の上まで引き上げた。' R! A' t. Z+ k4 Z# V9 y

$ U* W+ R  U& p; d1 o9 {- ^micchi14.net「わりいな。また世話かけちまって」) A, j$ C4 ?/ s% @  ?; w
「ホントだよ」' j. ^& z2 d8 g( m' b7 ~

# a1 R; E; j% _! r: Bリョータは荒い息を吐きながら悪態を吐いたが、三井の左足がはれ上がっているのを見ると、脇の森の中へ入っていき、程なく何やらを手に持って帰ってきた。見ればどこから取ってきたのか韮と生姜のようで、傍にあった木の枝と石でそれらをとんとんと潰すと三井が首に巻いていた手拭いを奪い取って塗りつけ、草履のとれた足に湿布を施した。
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「しばらくそこでじっとしてなよ。すこし腫れが引いたら送ってくからさ。さすがにアンタ背負って山を降りる自信は、オレにもないからね」/ I! }! a: l# y3 _  H# U" C% B
「わりいな。ほんと」
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6 ?5 M5 m: s( I' O4 e三井は力なく言って溜息を吐いた。2 O% A4 V6 l' k/ U5 P2 j! B
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「あーあ。情けねえなあ。この何年か、弟達の親代わりにならなきゃと思って踏ん張ってきたけど、まともに稼ぐことさえ覚束ねえ。食うもんがなくて山に菜を摘みに入ればこのザマだ」micchi14.net( [( v4 y6 ?' S7 C  E% I; \# a

/ [; A! N7 L( U/ q0 U* p8 Y  ~' w' W寿受主义——爱就是给他全部!リョータは綱を縛り付けていたクヌギの木にもたれながら聞いていたが、やがてだるそうに口を開いた。
7 q3 @% c$ b7 R6 e9 T# L寿受主义——爱就是给他全部!/ H! M( `5 b" w0 g% @* R
「それでも何年も兄弟の生活を支えてきたんでしょ。まともに稼げねえってこともないでしょうが」) }# z+ L6 h: h. g* l: e8 o

4 ^2 Y% Y& g. Q  t7 R# F3 O三井は苦く笑った。
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「今まではさ、実家から持ち出した金を工面しながらどうにかやってきたのさ。その金が尽きて、たちまち困窮してるってわけだ」/ R  @+ J9 P3 p" Q
「ご実家へは戻らねえんすか?」
: I+ V! m2 z# O! \! w- P, C「言ったろ?もう家がねえんだよ。お取り潰しさ」micchi14.net, H) W& H/ \9 [0 c
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リョータは少し驚いた。こんな素直にも程があるような明るい人物の一家で、家ごと取り潰されるような何が起こったのだろうか?寿受主义——爱就是给他全部!5 K6 k7 [' ~6 A
 三井はリョータの見つめる前で、脇に置いていた刀を持ち上げ、鯉口を切って半尺ほど刀身を引き出した。; v. F  s$ Q, p8 f: ]! u1 A6 J
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「ほんとにまあ、先祖どころか親にも合わせる顔がないぜ」/ ^, G# Y; K4 Q

6 C( |+ r5 P. A* r$ O9 y3 H) j8 gmicchi14.net三井が見ている刀の刃先を、リョータは真剣に見つめていた。micchi14.net' ^0 s$ `9 _+ y3 |
 
% l/ J7 U& V- o$ b& S「随分人を切ってるね、その刀。刀身にべっとりと血が巻いちまってる。そのままじゃ、もういくらも切れないでしょ」micchi14.net5 M/ M8 A. c! E* a! C% O

8 K8 r: d6 \0 r$ h+ |( ?リョータの視線を遮るように、三井がぱちんと音を立てて鞘を閉じた。
+ B5 J* y. V( g寿受主义——爱就是给他全部!( K. X. ?! Y6 [
「おめえ、タダの弦召そじゃねえな」寿受主义——爱就是给他全部!3 T+ }1 p$ K+ o# q
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リョータは言われてはっとしたようだ。険しく細まった三井の目を見て、バツが悪そうに慌てて言った。/ l) W+ \8 T& T2 W7 g- ?

. ?. P; {$ o" u0 V" f& Q% _8 p寿受主义——爱就是给他全部!「ああ、まあ、だからはぐれもんなんだって。でも、俺は刀を持ったことはないし、人を斬ったこともないよ。ほんとだよ」: P& H1 S' q2 H$ U( J

/ ~$ F, Z6 h6 j三井は慌てるリョータを見て、なんだか気の毒になって眼光を緩めた。二度も助けて貰っておきながら、疑うのも失礼な話だし、なによりこの男が自分達に対して害意を持っているとは思えない。
5 K# r! d# K/ F% D+ b3 M リョータは三井が警戒を解いたのを見て取ったのか、立ち上がって言った。寿受主义——爱就是给他全部!$ U* ?. h# f. ^6 N
% U+ L3 H' ?; L8 w4 r
「そろそろ、送るよ。立てるかい?」
2 V7 a; p( V1 x; }- v3 ^5 A+ _$ c! b2 _. h: V5 D( [: O  T8 T
三井は刀を支えに立ち上がり、下ろしていた背負い籠の中を覗いてがっくりと肩を落とした。たんまり採っていたはずのアカザやスベリヒユが、殆ど残っていない。崖に放り出されたときに、落ちたのだろう。+ k  @/ c/ W. [% E( a
 リョータの目が呆れたようにすぼまった。
/ {  J9 Y1 Z, H4 l/ Y( O
5 w% p0 a7 x# q# Z& W1 [micchi14.net「ホント、世話の焼ける人だなあ」micchi14.net2 |! ]# D3 G) h- u: y+ z

! v% [( r, G% z8 O% Cリョータは舌打ちをすると、また雑木林の中へ入っていった。そして程なく、韮や蕗、舞茸にイワナまでを一抱えも持って来た。
1 M  h: L% ?" X6 H$ b# l寿受主义——爱就是给他全部!そしてぽいぽいと三井の背負い籠に放り込み、自らが背負った。3 ^. p: f) V) h4 }- }1 I+ Z. o1 E4 B2 t
micchi14.net5 E5 L' L4 q0 y/ R: h
「どうしたんだよ!それ」寿受主义——爱就是给他全部!# v7 G5 F8 b7 N

/ R) h4 D  G( Y. `& C目を丸くする三井に、リョータは片目を閉じて人差し指を口元に当てた。
) Y2 Z- r& l/ E, i) P) D. [. t7 U
「ま、それはオレの秘密っすよ」寿受主义——爱就是给他全部!( L8 P! _9 X! [: D# |5 F! [8 w

8 G- ]1 I- ^& {1 w「それは」と言うが、どうにもリョータの周囲は秘密だらけのようだ。三井は呆れたように言った。. c4 h: E, o! o
micchi14.net. C5 O8 |  W; {0 S7 o, f) Q
「ほんと、不思議なヤツだなあ。お前」. P* a. O+ F4 Q) Y

; \1 }/ d- w1 jリョータは笑うと、三井の左脇に体を入れて支えとなり、濡れた山道をすいすいと下って行った。寿受主义——爱就是给他全部!4 j# [2 Z7 S0 L1 i! h. B# u

2 B9 h. h  c  h8 Amicchi14.netTBC
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) C" n2 @8 b! P: G寿受主义——爱就是给他全部!本帖最后由 gomafu 于 2012-10-9 20:38 编辑
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【暗夜嘉年華|百鬼夜行】【宮三】青い刃 二

飞筝様 此次也谢谢寿受主义——爱就是给他全部!- ]8 @" W; l) Q: V: A$ ?+ q
play1987様 此次也漂亮的banner谢谢
7 Z+ ~& Z+ I/ X  d7 `2 |并且,评语给的大家 真的谢谢。非常高兴。我的中文,不能传达心情。可惜~~~TAT; e) r% |; Z- a4 R' K( h! _9 X3 \
2 B5 i) W& L' E; m8 n) o+ m
这个是第二章。寿受主义——爱就是给他全部!8 a2 J/ E7 z; J/ ^. P* O& S: b
对读的诸位表示感谢. a  I* j; C8 g
micchi14.net- `, I( n) g6 s4 o* |
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****************寿受主义——爱就是给他全部!" v0 V. C; h/ k$ o
& Z( O! ]7 m7 s  S
『青い刃 中』 原著∶gomafu 译文∶飞筝! S( @5 f( ]/ @6 E# ]3 l" n4 _" Q

$ o# P9 h) Y& i6 [6 W8 ~' f# R# {micchi14.net5 {+ ?, Z/ V* m
4 W! p/ D& n1 r- a1 p! t8 G
micchi14.net, s( N! Z# ^/ T4 m3 J
 家で待っていた三井の弟達は、一人ではまともに歩けなくなった兄の姿を見て驚愕した。慌てて床を取ろうとするすぐ下の弟に、三井はそれは大げさだと笑ってみせた。吉王丸というこの少年は、本当に良くできた子供のようで、兄から簡単に事情を聞くと、濡れて泥まみれになっている兄に着替えの着物を差し出した後、リョータにも清潔な手拭いと湯を用意した。家の戸口に立ったまま中へと入ろうとしないリョータに、吉王丸は言った。7 F9 K* q. w4 K6 v& }$ o# T

4 P1 ^( q8 M7 F$ B  a0 n「兄を救って頂きながら、礼も言わずに追い返すわけには参りません。どうぞこちらで湯をお使い下さい」寿受主义——爱就是给他全部!6 z/ M6 C6 p5 t5 ?# i. r

  h1 e- y& m! R) M# g吉王丸があくまでリョータを年長者として扱い、敬語まで使うので、彼は自分が被っている頭巾の意味が分かっていないのではないかと思い、リョータは三井に視線を映した。寿受主义——爱就是给他全部!7 m3 N# X1 [% K" p% ^8 M! [# P
 着物を替え、手桶の湯で顔を洗った三井は、さっぱりとした顔で言った。
, `# {. A3 N2 R/ ?micchi14.net* ?& C1 P8 D. Z( }( g
「吉王丸の言うとおりだ。早く入って来いよ。湯が冷めちまうぞ」, e2 t. E/ q. n' r7 r3 O
寿受主义——爱就是给他全部!4 @5 W# n8 [: w# t5 h. ]
この兄にしてこの弟があるのかとリョータは納得し、「それじゃ」と断って土間に上がった。出された湯で顔を洗い、手足の泥を落としていると、背負い籠の中身を見ていた末の弟が歓声を上げた。  N# Q: D: f9 ]( N" o. a
寿受主义——爱就是给他全部!5 Z- d+ a% `+ \+ V8 R
「すごい!!いっぱいだ!おいしそうな茸やお魚まである!」, |+ T. m$ k: {' G" |) l8 a

( N0 j2 q% A3 p2 f! D2 W- rmicchi14.net歓声を上げてイワナを掴む富王丸を見て、吉王丸が三井に言った。
$ s! m2 S: Q1 C1 j
: I  h* x  W* P; s「兄上、随分ご無理をなさったのでしょう」
) B3 r" t' x5 ?) Q  W
# R. R+ Z. |% C弟の手を借りて板張りに上がり、挫いた足を擦りながら三井は頭を掻いた。
: }& v/ q/ y7 C2 b& d1 j7 m7 W' ^7 ^# e5 m* j/ P
「いやあ。情けねえ話だが、それはみんな、このリョータが採ってくれたものなんだ。前の瓜や豆もだ」
0 Y0 M4 S- c% P$ o7 o* M3 g寿受主义——爱就是给他全部!2 ~9 t4 F; S! C. u% s* C
弟達は驚いて、口々にリョータに礼を言った。micchi14.net, @/ w: P+ S4 k

# x, `, [( ], V# Umicchi14.net「そうでしたか!何度もありがとうございます」' V) w+ f4 {; {
「ありがとうございます。瓜、おいしかったです」
: B, w- ]: J3 o0 l4 U0 P2 S+ M+ c- `1 y' f
リョータは土間を後ずさるほど慌てた。' n$ ~( M7 ]7 Y

" j5 q4 T, R3 p寿受主义——爱就是给他全部!「んな、よしてくれよ、勿体ねえ。他のお武家さんだったら、馬鹿にするな、つって首切られててもおかしくねえとこだ。ほんと、変ってるよ。アンタたち」micchi14.net' w5 {4 k- R# o: x! S% c4 B

; R1 c: E9 r7 Y1 q6 @三井達兄弟はお互いに顔を見合わせて首を傾げた。リョータは彼らのそんな様子に、思わず笑いを誘われた。寿受主义——爱就是给他全部!3 H& W: {/ c7 l: _+ P2 N9 `
 何が変っているのかよく分からないままに、吉王丸が話題を変えた。
( b# C, M% E3 Z" [3 F/ }$ S( D
. k( p# }5 G1 i( B: f; N" y1 y* H$ y「しかし、このお怪我では、兄上はしばらくお仕事に出られないでしょう?私が代わりに馬草を刈りに参りましょうか」. W7 w& h; z' F! h  z

! U* `6 E3 y$ P( d8 o, {' y) I三井が眉を顰めた。5 d2 F. ^2 [& t' e' y; w
8 l$ v* b6 F+ B0 r2 {% g* {
「しかし、お前まだ大鎌をうまく扱えないだろう?手鎌で刈れるような量じゃ、まずいくらにもならねえ」
  W/ e" {9 [( \( Tmicchi14.net「そうですか・・・・・・ではせめて山に」5 x8 E- k+ a$ a
「それも危険だ。俺でさえこのザマなのに、お前じゃたちまち迷子になっちまう」* m( {# z5 c' M/ Q
「ですが・・・・・・」6 z4 a+ ~, ?+ w( F2 ?- n& e4 w

. L& k  ]# P. Y% ~2 I+ B吉王丸は黙って俯いてしまい、三井も腕組みをしたまま考えこんだ。末の富王丸がそんな二人を交互に見比べていた。やがて、三井が口を開きかけた。# ^, Y, J, J  v) Y
0 C2 g5 M( ]' }5 f6 M, u+ E
「大丈夫っすよ」
9 q2 ~$ Z) W: Y$ I寿受主义——爱就是给他全部!% c5 Y, e! o- r% Z9 R1 N8 s+ w* X
リョータが吉王丸に向かって微笑みかけた。micchi14.net5 M  \/ F" W) U! l' d) a

5 ]3 }& R  o8 S# v: [「三井さんの怪我がきちんと治るまで、オレが川魚や菜を届けに来るよ」寿受主义——爱就是给他全部!/ Y3 H. U' d+ f+ Q# R( u
「しかし、リョータさん。我々には、その魚や菜に支払う銭がないのです」micchi14.net$ z7 C% C- O$ w5 |

6 K" h/ _( d" f; H. C( Z5 i9 \寿受主义——爱就是给他全部!リョータは笑って首を振った。9 @- F. ^, h! y; ]
micchi14.net1 ~. K# Q0 t7 I- A+ `/ ]
「そんなこたあ、気にしなくていいんだ。元より金を貰う気なんかねえ。アンタたちの兄貴と、オレの仲を信用してくれ」2 |. g  [& N& d% i, d1 b" ~
「ありがとうございます」: H+ n0 q) ]' N; k# A
$ p& x- q( }3 o# W/ ^, }" z
吉王丸は丁寧に頭を下げた。末の富王丸も兄に倣った。三井も、済まなそうな目で言った。
+ b8 j5 Q9 d# Q$ c8 I3 }
" B' Z. k" w- r( a/ p# F3 e「世話になる」
' x& u4 P0 H2 l# G) g「いいってことよ。じゃ、またね」
" u! ?, Z6 r$ `micchi14.net6 \' R4 Z% G: I' n" o" C  I
リョータは笑って三井の家を出た。戸口を出るときには、またすっぽりと頭巾を被らねばならなかった。
" @3 s3 C1 g4 I; ~  z, R- P% X, Q5 p( `" B& C
 それから毎日のように、リョータは三井の家へ現れた。持ってくる物はノビルやムカゴ、韮や瓜、イワナやヤマメなどの川魚がつくこともあれば、締めて首を落とした雉や山鳩を持ってくることもあった。どれも立派で生きの良いものばかりで、三井の家の食卓は、親がいたころとおさおさ変わらぬ程に豊かになった。
2 _. v/ G. `) Z( S* k しかしリョータが来るのは決まって人目がない時で、時には日が落ちてからやってくることもあった。食材を土間に置き、生姜と馬鈴薯を摩り下ろして三井の足に湿布を施すと、二言三言話をするだけですぐに山へと戻ってしまう。末の富王丸などはヤマメの獲り方を聞きたがったが、少しばかり手順を話して、「続きは今度な」と去っていくのだった。/ Q# N. y9 q9 u4 ]* O) e% B
 そうこうして一週間ほどが経った。三井の足の腫れももうほとんどどひいて、痛みもあまりなくなっていたが、リョータや吉王丸が無理をしてはいけないときつく言い続けるので、食事のことはリョータに甘え、家事だけをしてすごしていた。
. J6 ^, H: W3 f$ R# r+ s* J寿受主义——爱就是给他全部!8 W& z+ c* g: O( c2 j
 その日、川筋の粉挽きの爺さんが、餅粉を挽く手伝いをしたら米をわけてやると言ってきたので、弟二人は昼過ぎから餅粉挽きの手伝いに行っていた。そろそろ夕刻なので二人も帰ってくる頃だ。三井はリョータに貰った猿梨を井戸水で冷やしておこうと、手桶を抱えてひょこひょこと戸口から顔を出した。4 y" m! y; y- Y# K
 右手の街道筋から、四、五人の男の話し声が聞こえて三井はそちらへ顔を向け、慌てて家の中へ引っ込んだ。背筋を嫌な汗が滴った。男達は皆、小袖に袴といういでたちで、腰には刀を差していた。三井は男達の中の二人を知っていた。彼らが向かっているのは、爺さんの水車小屋のある方角だった。寿受主义——爱就是给他全部!7 a3 R& A) k4 Q. G9 m
(吉王丸たちがあいつらと出くわさなければいいが・・・・・・)micchi14.net/ A- o$ `+ T) u9 Y8 C# ]
三井は唇を噛み締めた。男達の姿を戸口から見送った後、板の間に置いていた刀を取り、街道の傍まで出て行って、刀を握り締めて男達が去った方角を伺った。% x* v: Q& T, W* ~/ W
. X) B# p- d! M
「弦召せ~ 弦召せ~」
# [6 I. ?7 K) |' B' L/ I2 w
; n4 T, J8 u; I* X# Oのんびりとした弦売りの呼び声が聞こえてきた。聞き間違えるはずもない。リョータの声だ。三ヶ根山から続いている道を、リョータの声はゆっくりとこちらへ近づいてくる。こんな時に限って何故?!三井は焦った。
3 w: W# `0 E' K  k リョータは、三井が潜んでいる位置から街道を挟んだ斜向かい、やや南よりの路地を歩いてくる。街道をさらに南に行った所に爺さんの水車小屋があり、吉王丸と富王丸がそこにいる筈なのだ。micchi14.net' S! F" c: T" N" U
 突然、子供の泣き叫ぶ声が聞こえた。泣き声の主より僅かに年長の子供が何事かを怒鳴る声が聞こえ、複数の男の怒声がそれに続いた。
4 V7 D+ T$ b: pmicchi14.net; U. h( d" @; |# T4 k6 P: H
「弦召せ~ 弦召せ~」7 O2 {/ N1 p6 _8 w2 r2 ^

1 J- }/ I( d* l4 A8 l7 ^5 F寿受主义——爱就是给他全部!リョータの声は相変わらずのんびりと聞こえている。吉王丸と富王丸が泣きながら走ってきた。少し離れて、先ほどの男達が追いかけてくる。奴らが粉まみれなのは、おおかた吉王丸あたりが粉をぶちまけたのだろう。
7 u4 W5 K9 w2 r8 x" ~5 @ 斜向かいの路地に、リョータの姿が見えた。三井の見る前で、走ってきた吉王丸と富王丸を自分のいる路地に抱え込む。リョータの片手が富王丸の口を塞ぐと、開いた手で懐から柴の葉を二枚出して口元にあて、なにやらもごもごと唱えると、傍らに伏せてあった鳥籠を蹴倒し、中にいた二羽の鶏の背に柴の葉を挿した。
2 q* F* U- e  j# ^! \8 C8 h 鶏はけたたましい鳴き声を上げながら、街道を北へと走ってゆく。弟達を追う男達が、リョータ達がいる場所のすぐ脇へと迫った。三井の背に冷や汗が滴った。% X/ d: p. ?8 k

& A+ w  V3 V' G8 H! n$ O「待て!!小僧!!」( ?8 c- {7 Z+ y% t* [
「畜生!足の速いガキだ!」
# S2 G) J1 L4 A# k9 r* J「大殿の仇め!」
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7 O4 ]5 @9 m- h7 Q三井は珍妙な光景を見た。micchi14.net! h6 W. a/ D  \/ {4 @
 二人を追ってきた男達は、口々にこのようなことを叫びつつ、籠から蹴り出された鶏を追い回しているのだ。ケッケ、ケッケと鳴きながら走る鶏を追って男達が去ると、落ち着きはらったリョータの声が聞こえた。
- `* w- H4 [  Q% I& c8 R/ ^- }
9 {% _# L) l5 }3 M8 a- i' O, C1 Gmicchi14.net「弦召せ~~~ 弦召せ~~~~」
# m3 ?) S6 Q* r$ Q0 p7 N8 C2 X「何が『弦召せ~』だ!!今のは一体何なんだ!!」
0 _2 }# d, I  i寿受主义——爱就是给他全部!% R- j' v5 y$ N( c- E# p1 S/ [
眉間に皺を寄せてリョータに詰め寄ろうと、三井は思わず左足を踏み込んだ。
" e/ C: X; `. N- w& P5 j
7 w" O; g! l  x' \. T5 K「あっ!!いてててて・・・・・・」
3 W$ D1 V) c! Z. ~; K1 {: T0 Z0 Z' U  n/ l
地面に突いた刀に縋り、ずるずるとうずくまる三井を見て、リョータはため息混じりの舌打ちをした。「世話の焼ける人だなあ」とは、今更言わない。リョータは三井の左脇に体を入れて支え上げ、掌で富王丸の背中を押して、周囲を窺いながら三井の家へと入った。
4 p  n- n; Y9 X, H% W6 `6 C寿受主义——爱就是给他全部! 三井の体を乱暴に床の上に放り出し、戸口をぴしゃりと閉めたリョータは、倒れこんだ三井に向かって声を荒げた。
9 E, k& w" p3 M) L
5 P) Q+ o% D6 s9 p" \「『何なんだ』ってのはこっちの台詞っすよ!あいつら一体何なんすか?何でこの子たちが追われてるんすか?」
9 H4 Q% ~. k! d- o# o4 H% ]2 N- F「お前、こいつらが追われてたってのを何で知ってんだよ」
2 ]( k$ A( u: b1 X' |「んなこたあどうだっていいんだ!オレの質問に答えろよ」1 X! C1 M0 z, t! L+ i, |: ]( q

% O9 w3 K' Q8 b' G" nmicchi14.net三井は弱りきったように頭を掻き、体を起こして床の上に胡坐を掻いた。言い争う兄達の様子を不安そうに見つめていた二人の幼子を手招き、リョータにも床を示して座れと促す。リョータは仏頂面のまま、持っていた荷物を土間に置き、板敷きに上がって胡坐を掻いた。
7 O) D4 K  P3 f, K! v$ C
1 {$ t4 t4 T3 _0 i  h% |「あいつらは、前の岡崎城主 松平廣忠の家臣だ」
* o. `9 H* O4 b0 n; g& Y「三河の殿様のか!それで何でアンタ達が追われてんのよ」micchi14.net0 Q5 F, o" q2 }+ w) p
「俺たちの父親は、廣瀬の領主、佐久間九郎左衛門様にお仕えする忍びだったんだ。五年前に松平廣忠公が殺されただろ?」
( u" v2 F* p0 w% d3 q. X「まさか・・・・・・」* W/ W7 F" ?$ O( X8 K, O
「ああ、あれ、俺たちの父上がやったんだ。佐久間様のご命令で、岡崎の地侍として城に入り込んでさ。城主を討ち取ったはいいけど、その後全部バレちまって。佐久間様は討ち取られるし、俺たち一家もとことんまで追われてな。両親と姉上は殺されちまった。俺はまだ赤ん坊だったこいつらを連れて、逃げて逃げて・・・・・・。ここへ来てからは案外平穏だったんだけどな」
, F# B% l% e$ P2 U+ qmicchi14.net寿受主义——爱就是给他全部!/ r1 t1 j) J5 s3 a
三井は頭を掻いた。リョータは生意気そうに唇を尖らせたままだが、細い眉を気遣わしげに歪めて言った。+ R- _1 q. ^0 L9 f# v
$ l9 K( s! C4 f/ K" P: b) ^
「平穏ったって、ここは三河だし、岡崎城は結構目と鼻っすよ」6 o) s( H# D" M5 m5 G2 a/ I6 t
「まあな。けど、今、城にいるのは今川氏で、嫡子の元康は駿府だろ?案外こんなとこが安全なのかなと思ってたんだ。こんな家だけど、雨露をしのげる場所も手に入れて、知り合いもちょっとばかしできて、それでどうにか食い繋いでるようなもんだったんだ・・・・・・」+ T9 V" o# f8 h8 H( I( ?

' c! v( A9 l, c  U6 ?9 @  Y三井は眉を寄せて俯いた。micchi14.net" v. B8 X7 N: b0 C( }) ^2 T7 B1 L

* L2 Q+ N% ^' e3 q「悪かったな、黙ってて。こんなお尋ねもんの世話焼かせちまって、すまねえと思ってる」
4 ~) L% E9 j' M" [) W7 k& V寿受主义——爱就是给他全部!「いや。別に、俺らみたいな最下層のモンには関係のない話っすからね」$ ^8 Q* P" V7 V

" S& S1 B4 D; m7 _) D4 P肩を竦めて言うリョータに、今度は三井が聞いた。
( L) N4 }' b% f: p3 u8 U% M寿受主义——爱就是给他全部!
$ R  B3 N+ x" C+ N( x「ところで、お前のアレは何なんだよ。何であいつらは鶏を追いかけて行ったんだ?」
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+ ]/ j$ J. v- l" gリョータは視線を彷徨わせた。
- @7 x$ m9 C7 B/ s8 H! j2 E( K9 `$ q
+ d# ]3 J& A: E) h% Z9 Z& P「あー、あれ。オレが鶏に頼んだんすよ。しばらく代わりに逃げてくれって」
* w1 L8 ^$ A% }2 F, L「頼んだあ?!んな説明で納得できっかよ!」
7 U( t; t, r# I# A+ \micchi14.net「ホントだよ、それは。まあ、平たく言やあ、一種の目くらましってヤツですかね。でも、すぐに解けちまうよ、あんなの。今頃はどっかその辺で鶏だって気づいてるよ」
/ y8 S3 q' G& b' Q
4 {" x/ ~' M" G: W  I$ R何故そんな妖術のようなものを使えるのかと重ねて問おうとした三井だったが、口元に薄い微笑を刷いたリョータの表情が妙に儚く見え、喉元で言葉を飲み込んだ。8 O5 |# V: y" [2 T8 z+ c& A
 代わりに、ずっと黙っていた吉王丸が口を開いた。
  |; h1 g+ {- d! f" w/ v
0 G4 u- Q5 Y& U# y8 U7 o! t「あの・・・・・・何にしろ、本当にありがとうございました。リョータさんが来てくださらなければ、どうなっていたことか」
0 @, M5 c3 \' ]) ^# n; a「ありがとう!リョータ兄ちゃん」
1 S7 l  _% V' @% R( `$ P寿受主义——爱就是给他全部!" S& R' N% y5 ^& `9 r* x; ]
富王丸もにこにことリョータに寄って来て礼を言った。リョータは富王丸の頭に手を置いて、二人に笑いかけた。  ]  A8 P$ j. r

) t/ \7 W  ?5 I8 s% g2 S" r4 g# r, Zmicchi14.net「ったく、兄貴と違ってよく出来た弟達だよ。アンタもまだ足が完全じゃないんだから、大事にしなよ」  ^+ d2 Z" Q2 |) @. b2 f

' ]- a. H2 ^) G1 K7 K) Aそう言ってリョータは立ち上がり、土間に置いていた弓弦の入った桶を持ち上げ、頭巾で顔を覆った。! h# u6 u5 V7 y+ U$ l

' I8 y7 O7 S" T' \; [4 S' |% a「すまねえな」9 @  c* b9 k" [" _* _2 [* `. T4 r
1 P5 W7 s8 `4 _; S0 Q
どういう意味で言っているのか、不貞腐れたように言う三井に頭巾の奥から笑いかけると、「じゃあね」と言ってリョータは家を出た。戸口から外を覗くと、去ってゆくリョータの足元にさっきの鶏が戻ってきていて、コッコッコと喉を鳴らして地面の虫を啄んでいた。) p+ W9 ?+ ^* B8 C) s
4 f/ b; e0 T, g! t( g
「あいつ、何もんなんだろうな」4 f2 S, F8 Z6 |
micchi14.net2 X; q6 F$ b: a# P6 [
三井は改めて首をひねった。リョータの荷物が置かれていた後には、綺麗な木苺がたっぷり置かれていた。- S# Z0 F7 S2 A5 E) v

2 G4 ?4 m$ L. w4 t それから、ほんの数日後のことだった。長屋の井戸に水を汲みに出た富王丸は、垣根の陰から愛らしい顔とふさふさとした尻尾を持つ動物が覗いているのを発見した。
9 h  Z7 F* O$ N, [" I$ R9 Q3 [/ C! x# O* B" I# K8 [8 V% i: I) u
「あ、タヌキだ!」
1 ^  b- X+ f* W8 c1 ~$ }# z5 T$ _寿受主义——爱就是给他全部!
7 w, b# U! F* h. N: h5 V# pタヌキがじっと富王丸を見つめているので、水が欲しいのかと思った富王丸は、タヌキに向かってにっこりと微笑んで言った。
; C. h8 U: A# x: X4 @6 R& O# U" {9 d9 s$ h
' x0 f% F$ ?/ G- ^/ g4 S# {, Z7 m「喉がかわいてるの?ちょっと待ってて、冷たいお水をあげるから」
' d. V% P/ Z0 b$ @
8 A8 G) D! L( o8 n( O# |& {5 Iそういって釣瓶を落とし、組み上げた水を手桶に入れてタヌキの方へ差し出した。3 G$ X4 M0 G" C
# Z6 E- s6 z  r
「ほら、おいで。お水だよ」3 l+ F* A/ B3 g, n* O" O/ l
/ w3 H8 D6 c% E! e  `2 S' `0 i
タヌキはそろそろと富王丸のほうへ近づいてきていたが、突然、ぴくりと耳を震わせると、急に背を向けて走り出した。寿受主义——爱就是给他全部!: z0 e8 V/ o+ Y

' M* n9 t1 B1 A3 Qmicchi14.net「あっ、どうしたの?待って!」. \  m5 m* Q) s8 v
# g2 g8 b  L; |& O% I  z
富王丸はタヌキを追って走り出した。! E! c! @. a# U7 @3 [- W
 タヌキは街道を横切り、路地を抜けて止まることなく走ってゆく。
. i& L- m( o' N* e9 U
2 H/ }2 q* K( ~& o2 G! i4 Q# N* Mmicchi14.net「待って、待ってよお」
9 n7 c, O5 z" [) t! M! i2 s7 \寿受主义——爱就是给他全部!
' Q8 e6 I: l( C2 Z6 i富王丸は息を切らせながら、夢中で後を追った。) H+ d# i5 c4 y* p! C
 町外れに来て、突然タヌキが止まった。そこには、大人や子供を取り混ぜた十四、五人の人垣が出来ていた。タヌキは人垣の外側を回るように、ゆっくりと移動する。一体何が起こっているのかと、富王丸も人垣へ歩み寄った。寿受主义——爱就是给他全部!# t" i3 b' l+ w* i

4 ^) H3 d9 M/ d「狸憑きが!何の悪さしに町へ出てきた!」
  y' ^7 \6 E* c/ @8 ^4 j% ~) @「正体を現せ!狸憑きめ!」
* d" t8 D* Z5 b3 _) A$ i( \「作兵衛の息子がいなくなったのも、おめえのせいだな!」
1 ?' {2 {+ c. K0 s  h- bmicchi14.net「性悪狸め!」
" ]/ E0 K$ F8 |) f% T) t寿受主义——爱就是给他全部!- I0 Y* I) f2 d  }/ m
口々に責め立てる人々の前に立っていたのはリョータだった。リョータは頭巾を被った頭を垂れたまま、何も言わずに人々の罵倒を受けていた。
' z0 S: T$ ^- I$ G" j, N1 C6 Y 富王丸が追ってきたタヌキがするりとリョータの足元に擦り寄った。' o  T6 S" U; Z# R, `: W6 z
: C; u* I. l5 X( K
「ほうれ、お仲間がやってきた。正体を見せろ!悪狸!」micchi14.net  j8 P% P: R% L0 ?, F7 F: G
「とっとと山へ帰れ!!」micchi14.net' \2 X3 X7 L9 e2 A/ M

+ d! F+ a# G8 T7 E寿受主义——爱就是给他全部!人々は足元の石を取り、リョータとタヌキへ向けて投げ始めた。富王丸は驚いた。micchi14.net8 k' }9 }6 B4 i. R" ?8 Y
micchi14.net: q7 V2 {6 U5 H2 c# V6 `/ m
「やめて!何するんだよ!リョータ兄ちゃんは・・・・・・」
4 A0 ]7 r/ {3 F- E- b6 ?
- y  T- ^4 h& }+ _0 z" Cmicchi14.netふらふらと人垣の前に出た富王丸を見て、今度はリョータが驚いた。リョータに向かって投げられた石つぶての一つが富王丸の顔に当った。リョータは富王丸を抱きかかえ、山へ向かって走った。タヌキも後を追った。# t+ W" ]" Z- O" M  }
! K6 `8 ?% k* C
「逃げたぞ!」
8 [( k3 b/ L+ p1 I# j「狸が逃げた!」6 s8 j1 M+ v# \
「子供を攫って行ったぞ!」
0 `* F; ]0 U( A& [micchi14.net
8 E; c% ]) K7 F7 h& [人々はリョータの後を追ったが、日頃山を走り回っているリョータの速さに追いつけるものではない。たちまちリョータの姿は見えなくなり、人々は、それやはり奴は人ではない、と言い合った。
# O2 X; m4 q: ~7 r! E' M 谷川に出たところでリョータはようやく足を止め、富王丸を腕から下ろした。谷川の清水を竹筒に汲んで富王丸に飲ませ、頭から外した頭巾を水に浸して石つぶての当った目の端を冷やした。micchi14.net/ L1 J9 _$ f- C. V2 v

# U6 q! O) W4 T4 P「痛かったろう?済まなかったな、巻き込んじまって」寿受主义——爱就是给他全部!7 T# J7 x; c. S/ q/ q$ W
0 l4 O+ U# j! Y
謝るリョータに、泣きそうになりながら富王丸は首を振った。0 d6 r. c0 U) Z: k( R% R- [

  [$ O# l7 D. P5 E. m" wmicchi14.net「リョータ兄ちゃんは悪くないよ。兄ちゃんは狸じゃない」
! ]) A+ T- c1 Y" w& C+ Q寿受主义——爱就是给他全部!, c# ?! z1 B5 r! O" G
リョータは頷いた。
$ H# R% X$ U7 m; n, C; i; l寿受主义——爱就是给他全部!
& b7 k# ?% Q  S0 x8 E「ああ、オレは狸じゃねえ。けど、もうオレとは関わらねえ方がいい」
# x# `  Z$ b# ~; ?% ?. L0 l6 ]
; s" M' g2 b4 J富王丸は幼い顔を歪めて聞いた。, j. `8 K7 x. V0 ?  d( w1 e

' ]* Z$ v4 J. Dmicchi14.net「どうして?」* o" T4 a7 S3 m2 d# E

8 G% N: |3 u% Wmicchi14.netリョータは富王丸の傷を優しく拭いながら答えた。- h3 T8 H. }' h! x4 Y2 V3 ?
micchi14.net" ?* [1 s3 D9 j2 M! d
「どうしてって、またこんな怪我をすることになるからさ。もう、おめえの兄ちゃんの怪我も治るから、オレはもうアンタたちの家には行かない」
' |- B2 P, e% K, _! ymicchi14.net「ええっ」
- j% ]7 o) V5 q; bmicchi14.net1 S# p3 T5 c6 d$ g  Z
驚く富王丸に、リョータは川に入ってヤマメの獲り方を教えた。仕掛けの作り方、ヤマメのかかり方などを細かく話して聞かせてからリョータは岸に上がり、ついと上を見た。そこには大きなヤマセミがいてこちらをじっと見つめていた。
! a5 Q* }0 ~# J& u/ e5 h2 y" m寿受主义——爱就是给他全部! リョータは右手の人指し指と中指を立てて口元に翳し、口のなかでなにやら唱え、次いでその二本の指でヤマセミを指した。
% y) }0 Y: r) D4 Lヤマセミは飛び立って、「キャラッキャラッ」と鳴いた。リョータは富王丸の手を引いて、山道まで出た。
6 C  w7 @( k* _8 w) C4 Mmicchi14.net
6 y. r2 b! L) I$ b1 s寿受主义——爱就是给他全部!「いいか。この道を真直ぐに歩いて下ると、吉良の町だ。道々、迷わねえように木の実が落ちているから、拾いながら行くといい。帰って、町の人に聞かれたらこう言うんだ。『狸に化かされて山に攫われた。気がついたら一人だった。夢中で歩いてたら町外れに着いた』ってな」寿受主义——爱就是给他全部!4 O: [/ s1 |2 G+ t) U
「でも、兄ちゃん!」; d  n; M* J7 Z8 d; R$ e+ _
「いいな。絶対そう言うんだ。下手なこと言ったら、おめえの兄ちゃんたちも一緒に今すぐ町を追い出されちまうぞ。わかったな!」. V9 g: o7 L: \

& T% b% K8 @; G" k8 r# N富王丸は顔をくしゃくしゃにしながら頷いた。リョータが皮袋を手渡して背中を押すと、富王丸はとぼとぼと山を下り始めた。リョータの言った通り、足元には栗や椎の実が落ちていた。富王丸はそれを拾っては皮袋に入れながら歩いた。
2 d' I0 V7 f7 f1 a寿受主义——爱就是给他全部! 
7 @/ r6 V' [( s: w. T: Q( S  a 水を汲みに行った富王丸が帰ってこないので、吉王丸と三井は躍起になって探していた。松平家の者に連れ去られたのではないかと思うと、三井の心臓は縮み上がった。0 P  r' l6 x0 b0 B+ u# u2 T& {
 飴屋の小僧が「狸に攫われたらしい」と言いに来て、三井は正直面食らった。町の端から端まで、果ては田んぼの水路の中まで探して、治りかけていた三井の足はまた痛み始めたが、そんなことを構ってはいられなかった。
; u1 P* d4 ~- {. Y  [- Q6 T 西の空が茜に染まる頃、富王丸が帰ってきた。手にした皮袋には、口が閉まらないほど大量の木の実が入っていた。町の者が何を聞いても、富王丸はぐすぐすとしゃくりあげるばかりで何も答えなかったが、兄達だけになると大声で泣き出し、朝からの出来事を話した。三井は溜息を吐き、吉王丸は驚いた。
& ?9 L1 v' d" D9 b9 j 疲れ果てた富王丸が眠った後、三井はじっと何かを考えていた。富王丸の右手には、大きな栗の実がしっかりと握り締められていた。
6 ~- Q9 L4 y' v7 Q) B" U
$ ]2 ?" E+ L- B; T+ K' m8 Z: }micchi14.netTBC

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阿米さん!详细!!详细!!5 q, d. T! Y. W% a+ W& W0 R
那么详细地被调查的话,败露我的小说与史实不同~~~~~~~
) {# ?: ]! T5 B% Q寿受主义——爱就是给他全部!
- L, b  w( A3 r) L寿受主义——爱就是给他全部!我非常吃惊。3 ?  c4 r5 i5 x3 n, u
阿米さん说正确。
5 q& q  q2 ~5 w; q# i寿受主义——爱就是给他全部!关于"片目弥八"也关于"松平元康in駿府"的事全部也正确。* t- k& s0 x% g: x) {$ U1 n

3 Y  |* t% g/ b7 H' \* Q8 R0 H啊,我在日本大量地写了历史并行小说,不过,到这里详细地被追求了的背景是第一次www3 G- U3 t+ q- c$ K0 b" I0 w$ N
极好!!极好!!$ X# i1 X3 y% `4 W+ s

; w7 h$ A* p( j* c如果好、年号不详细地追求请读(^o^;)寿受主义——爱就是给他全部!; k- O# G; ]* Q  K3 Q! C: u
micchi14.net# t% ?" V5 x1 Y5 \- Z6 ?3 z( S
* i  v. D0 k. ^' C* C* \
micchi14.net. I) |' b1 U& i5 N
如果搞错中文抱歉

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【暗夜嘉年華|百鬼夜行】【宮三】青い刃 三【完結】

飛箏さん。真的謝謝。你辛苦了。
9 E" \4 w3 R1 U# D7 s  z( y7 _, `如果你不在,不能这个作品!!
& @2 H6 o0 Q4 h  h: }! m
! L: [% }1 ]6 J$ K* W: U6 C/ P. j2 m) M- t' d$ C' j; R
寿受主义——爱就是给他全部!: l+ V8 T3 V3 P0 W/ q, S
『青い刃 下』 原著∶gomafu 译文∶飞筝
' @. w# g) \4 f# `! a/ v/ _
! `3 D( A* @7 M5 `
# o7 q+ H. y  P( A. J! _寿受主义——爱就是给他全部! 十日後、三井は三ヶ根山を登っていた。何だかんだで治りの悪かった足の怪我も、ようやく完治していた。この十日、三井は腹を立てていた。そして今日こそは、その苛立ちの元凶に一言文句を言ってやろうと思っていた。
; v: Q9 q; H3 z0 d5 @3 ~1 ^2 m寿受主义——爱就是给他全部! 一度きりしか行ったことがない上、茂りの速い夏草があたりの景色を変えていて三井は何度も迷いかけたが、どうにか目指す場所に辿り着いた。
+ }$ ?5 o3 V  T$ D7 a/ y寿受主义——爱就是给他全部! 塒の前で、リョータは縒った麻紐を折り取った木の枝に引っ掛けて、薬煉をひいていた。寿受主义——爱就是给他全部!! C. V6 k$ u! y6 }( S. P: ?

; t  ?' p$ G: j7 g「どういうつもりだよ」+ {1 ^. c: f5 C$ c% E7 g

+ ]6 f/ M* d' [9 a2 e三井は言った、不機嫌な声を出すのに苦労はしなかった。+ D; D, N" h3 G; p

- P' @0 ~# i8 w3 N) r3 S1 pmicchi14.net「あんなやり方で、はいサヨナラ、なんて。そんなんで俺や弟達が納得できると思ってんのかよ」micchi14.net" a$ ?8 m# U0 o  B) N
2 ]/ N8 L! j, u1 x. v; W
リョータは表情も変えず、薬煉をひく手を止める事もなく言った。) e' F7 E) b( n/ t+ O2 X/ v% j9 u) y

) y3 K4 F# t( S# B8 v8 l( Y; s「その刀さ。アンタまだ持ってるってことは、まだ侍でいるってことでしょ?今は無理でも、いずれどこかの城主なり武将なりにお仕えしようと思ってんでしょ。だったら、オレみてえな狸憑きの弦召そなんかと一緒にいちゃいけねえ。そんぐらいわかんでしょ」: H8 {8 X3 h  L6 V% P. R. q

" ?/ Y5 @1 [, p7 Y3 q寿受主义——爱就是给他全部!三井はこちらを向きもしないリョータを睨んだ。- d) ?2 q5 m# y7 \5 x( ~

' {/ k! X0 n0 ^「わかんねえな。確かに、おめえはタダの弦召そじゃあねえみてえだ。狸が憑いてんのか、狐が憑いてんのか、そんなこたあわからねえ。でも、おめえが何者だろうが、俺たちはおめえに世話になった。それだけははっきり分かってる」/ I  w. y4 I5 f

; i% u2 g0 y+ m) l; E# l9 |$ H1 Sリョータは薬煉をひく手を止めて笑い出した。
2 f- F& D% Z/ h" o2 ]  B8 B" R寿受主义——爱就是给他全部!* B* h, G1 z* S8 n9 D
「一宿一飯の恩ってやつ?そんなの、犬は覚えてても人間様は忘れるもんだよ」
- w8 O  V5 R; X2 B4 q, B5 d0 i寿受主义——爱就是给他全部!
3 d2 H2 @6 `0 x( N. K3 p- E  J- @三井は不快気に眉を寄せてリョータを見た。リョータもようやく三井を見た。その顔には、いつか三井が見た、儚く、消え入りそうな笑顔が浮かんでいた。3 g; L: D$ C& c7 Z4 y0 m

( f. V( O2 _8 c- I. u) I  N「もういいよ、三井さん。もう十分だ。オレね、アンタに会って、久しぶりに人と話したよ。アンタには、本当に感謝してんだ。富王丸も吉王丸も、本当にいい子だよ。一緒にいられて、本当、楽しかったんだ。だからさ・・・・・・」
+ \( ~2 c5 V* O/ Tmicchi14.net  L# G% e9 i, J& e, a
三井は心底驚いていた。まさかリョータが、そこまで人から隔絶された暮らしをしていたとは思いもしなかった。それなのに、このリョータはなんという真直ぐな心根を持っているのだろう。人を恨むことも妬むこともなく、あまつさえ、自分達の今後を思って自ら身を引こうとしている。
1 ]0 I( Z/ F& C+ d# M* O  Rmicchi14.net 何が彼をここまで孤独にしたのか、三井はそれを問おうとした。寿受主义——爱就是给他全部!) G. Q7 y+ h: z

8 A% g- q& f" c/ ?$ `8 j, Z2 w( M& d  B寿受主义——爱就是给他全部!『グアー!グアー!グアー!』+ `7 _( ]* N. V8 v: W
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突然、頭上でカラスがけたたましく鳴いた。リョータが血相を変えて立ち上がった。8 y" j) z# T. T* n

5 N* P1 E$ D- ]: K& D& i6 Pmicchi14.net「三井さん、町へ戻ろう!吉王丸たちが危ない!!」
" A# l7 B9 _: D5 y; m$ L- j9 v. h寿受主义——爱就是给他全部!「えっ?!」
+ m. F) R6 Y0 i. \
) Y; L; p/ ]6 e$ |6 ?# {寿受主义——爱就是给他全部!リョータは走り出し、三井も後を追った。3 @6 @1 ^3 e0 d; C1 _8 L
! F3 I( V+ V( H
 町には、大勢の侍達がいた。三井はリョータの頭巾を被って人目につかぬように家を目指した。侍達の中には、三井が知った顔の侍もいた。
7 f( X2 ~/ i5 ]. [* Q" P1 A# Q寿受主义——爱就是给他全部! 町の中央には、高札が立てられ、あまり似ていない三井の人相書きの下に『岡崎城主 松平廣忠公殺害の下手人 三井宗右衛門が長子 寿王丸 他二名』と書かれていた。8 j, t7 T8 _0 T7 h

8 I: O) r7 v% }1 T9 l7 I) e寿受主义——爱就是给他全部!「アンタ、寿王丸って名前だったの?」9 R7 p0 ^5 u* P6 w  Z

; V' W% E7 s0 `$ p8 O/ G; }: zリョータがつついた。- x* v5 H7 _& p+ w' }9 y# k

+ N3 w" L: Q- X, M  e3 e寿受主义——爱就是给他全部!「親が死んだのがまだ元服前だったんだよ。いつまでも幼名のままじゃ変だろうが」
+ N3 |) {7 ?! e9 l
/ ~0 Y' S6 E" h. ~3 tと、三井は舌打ちをした。
7 C% g) l. b: h: x7 e 家はもぬけの殻でボロボロだった。戸板は踏み割られ、床も接がされて酷い有様だった。よもや弟達は連れ去られてしまったのではないかと、三井は肝を冷やしたが、町を行く侍達にはそんな様子はない。一体弟達はどうなったのかと、三井は気が気ではなかった。二人が家の近くに寄ると、はがれた床板の下から一匹のタヌキが出てきた。! ]" S& s  G, ?& ^8 Q9 ]  H
 タヌキは三井達の方を見ながらぴょこんと姿を現すと、戸口を潜って人気のない路地へと走っていった。5 @: n. {% k8 X3 e. T' i5 N( w  d; m% u1 N
* A. J+ Z7 b2 h  ?; ~* e
「三井さん、こっち!」. Q# a3 {# ]1 J. J( y  d. a
( `3 m7 g. N/ {6 {7 ]7 f
リョータはタヌキを追って走り出した。三井も慌ててついて行く。2 A, B( T9 T; B2 a) {
 タヌキは、人の気配がせぬほうを選んで、ジグザグと細い路地や板塀の間を走り、町の北西の角にある畑の中へと入り込んだ。ここには、川から水を引き入れるため、大きめの水路がいくつか掘られている。タヌキはそのうちの一つ、夏前に収穫が終わった麦畑の間にあり、今は堰板が嵌めこまれて干上がった水路に入った。micchi14.net) ]9 m# `% v1 H  I7 Q; p! S
 リョータは躊躇いもなくその後を追い、三井も訝りながらついてゆく。8 V1 H/ ~7 s4 c/ m" {: T% w, p2 b9 J

+ k7 D: W: w) e. k' _6 Y8 X0 b「兄上!」
% E2 J: R1 D8 n* S- Y寿受主义——爱就是给他全部!
# ~. y' r1 t5 `; _5 H+ U2 t( W暗がりから吉王丸の声がした。$ j6 k+ D9 g& Z+ D- o9 ~, u7 \
 水路に架けられている、大きな丸木をいくつも渡した橋の下を覗くと、その下に、吉王丸と富王丸、そしてタヌキの光る目があった。
8 q+ k5 l9 s7 ^; [' ?& D+ b8 ymicchi14.net寿受主义——爱就是给他全部!7 g. b5 j, t! U3 u
「お前達、無事だったのか!」
- o+ G' F. p+ {% v* R5 M/ b9 e( v4 R3 N# }3 v
三井が声を掛けると、心細げだった二人の瞳に安堵が宿った。
, H; t) h( C1 n. _9 c  \( Tmicchi14.netmicchi14.net% u1 O0 r# F' i6 r- u
「松平家の侍達が家に踏み込んできたんです。富王丸と二人、床下に隠れていたら、壁の下の穴からこのタヌキがやってきて、私達をここまで連れて来てくれたんです」
$ t. v$ w- j. Z* E9 D寿受主义——爱就是给他全部!「タヌキが?!」
6 q* c; g* J" Dmicchi14.netmicchi14.net/ _- P5 e  A* j# x
三井がタヌキはと辺りを見回すと、タヌキはリョータの膝に乗り、彼に背を撫でられていた。寿受主义——爱就是给他全部!! z7 m" w  a; R1 b- N. v; C
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「こいつね。オレの友達なんすよ。アンタが怪我してから、こいつ時々アンタ達の様子を見に行ってたみたいなんす。けどお前、三井さんちに穴空けちまってたのかよ」+ A& t( [; B, D: K) E0 H: g. Q6 H

$ `: X% R0 I2 Y+ j" I% _- W2 y- a' m三井は正直唖然としたが、二人の弟の顔が目に入ると、表情を改めた。
' k. H% G5 K! j7 F# y5 F1 a, _micchi14.net
0 x+ J( E8 t  F3 s, ^寿受主义——爱就是给他全部!「ともかく、いつまでもここにいるわけにもいかねえな。これからどうするか・・・・・・」* }$ K2 i  I, P+ [' \
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タヌキを撫でながらじっと考え込んでいたリョータが、口を開いた。8 M- b1 N$ r# W) ?

$ b" ~# K9 Q/ q7 t3 m- s寿受主义——爱就是给他全部!「三井さん。ちょっと遠いけど、本證寺に行ってみるってのはどうかな?ここらへんで一番でっかい寺だし、寺に入れば守護使不入ってことになってるから、奴等だって手出しは出来ないでしょ。せめて弟さんたちだけでも、匿ってもらった方がいいんじゃないすか?」
/ A3 w; ?* |; e) Fmicchi14.net) ?( Y3 D0 y0 x' \! @/ }
三井は不安げな弟達の顔を見比べて頷いた。. D6 p7 V% A2 L4 Z7 }$ V6 Y

" n0 p4 G7 U, p& U  H「そうだな。無法を働いたわけでもねえのに気にいらねえが、こうなりゃ仕方ねえな」寿受主义——爱就是给他全部!  P" e6 x% ]. F& w
「兄上・・・・・・」5 x& d4 ?: _9 T; N( K  [; }  ]
「兄さま・・・・・・」
. Z  n+ z1 J' i# {) E: F寿受主义——爱就是给他全部!
# ^4 v2 K, Q5 B) i% f  W寿受主义——爱就是给他全部!三井は二人の弟の頭に手を置いた。6 Z+ q' ?- L7 J( w
. g+ U  o  F2 ?# D# t# T, s
「大丈夫。一時の辛抱だ。それより、こっから寺に辿り着くまでが大変だぞ。頑張れるか?」2 l: g" d; {2 W$ i9 h
「はい」micchi14.net' E. O$ ~; r5 a7 A' N0 p
「はい、兄さま」3 u+ l* @* E5 u$ K

- f' Q6 S  T# P7 }畑の畦道を、侍達の声が近づいてきた。「こっちの方か?」「捜せ!」などと言っている。: L( h/ D8 H# n2 i
 リョータが柴の葉を懐から出し、タヌキの額に当てて頷いた。タヌキが水路から走り出た。micchi14.net3 k  P5 |" r( Y0 [
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「いたか?!」
3 Q* S8 L3 S$ B7 _/ n: j1 h「あっちだ!」
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9 [) k. K; O' M& s侍達の足音がタヌキが行った方へと駆けてゆく。リョータ達は彼らとは逆の方向へ水路を抜けた。+ m7 o: k6 P( {5 R
 だが、何分にも相手は数が多かった。水路を出て地上へでると、たちまち三井達に追っ手が掛かった。+ Q% g& ^8 @% [) f/ G0 X
 逃げる三井達を、色々な動物達が助けてくれた。犬やイタチがリョータの出す柴の葉を咥えて身代わりになってくれた。カラスやトビや、時には蜂が、侍達を足止めしてくれたりもした。しつこい追っ手の顔に、大量の牛蛙が張り付いたりもした。
' x3 L7 G. d' _/ W  X5 @micchi14.net 走りつかれた富王丸をリョータと三井が交代で背負った。吉王丸もまだ小さな足で必死に走り続けた。しかし、粗末な草鞋は破けてしまい、裸足の足に血が滲んだ。それでも、足を引きずりながら、必死で前に進み続けた。
3 L5 p9 C9 P, _9 @寿受主义——爱就是给他全部! 三井もリョータも、吉王丸を背負ってやりたかったが、二人も既に走りつかれていたし、追っ手のことを考えれば、これ以上速度を緩めることはできなかった。痛みと疲労で浮かぶ涙を拭いながら、泣き言一つ言わずに進み続ける吉王丸を二人は懸命に励ました。
9 P7 i$ Y/ U7 R  d' X7 V3 U) Z 寺の山門が見えてきたところで、三河の侍達がまた現れた。リョータは富王丸を背負ったまま片手を懐に入れたが、もうそこには柴の葉はなかった。リョータは舌打ちした。
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「三井さん、山門まで突っ切るよ」- \! l3 v, `1 f& L; H: L
" _" a. S1 F4 T+ s' _" }# j8 Y
リョータの言葉に、三井は最早走れぬ吉王丸を背負い、頷いた。
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% O, W9 z' S! r  M3 t' X2 ?# A; Wmicchi14.net「いたぞ!!大殿の仇!!」
* H" s1 w# v1 ^* |, q' J1 D+ h「逆賊の倅だ!!」/ o0 @; o3 o; z6 p5 p+ {8 C  z8 H

+ y, w( t8 k( [$ @6 I7 O' f1 G具足を着け、胴丸を纏って武装した兵たちが、殆ど丸腰の三井達を追ってくる。リョータと三井は最後の力を振り絞り、ほぼ一息に山門まで駆け抜けた。3 u3 |  w$ q! k2 C8 {* j
% `1 Q6 c2 z6 p; k
「お頼み申す!!我らを匿って頂きたい!!故あって、三河領主の兵に追われております。お願いいたします!!」
4 c0 F# @, B/ A& ]; u. r3 u1 f; d; c$ i
  K3 @: r/ S. y/ @- ^, z! Q- Y& L寿受主义——爱就是给他全部!山門を潜り、三井は寺の本堂に向かって力の限り叫んだ。本堂前で富王丸を背から下ろし、振り向いたリョータは信じられぬものを見た。8 W" }' m5 o9 l3 d' g5 |/ z
 侍達は山門を破り、寺の中へ入ってきた。あり得べきことではなかった。守護使不入の権により、何者であれ寺社の中では手を出されぬ筈だった。
- g1 U: f; i5 s3 q- t* o* \ 侍達はその理を破り、山門の中で白刃を振るった。# u( f$ p* M1 V
- W* J3 D7 n! m, ~0 H( q
「三井さん!!」
: W0 D! M+ a1 _, G7 T
( M) Q$ t& ~; ^4 _5 E) O7 `micchi14.netリョータは叫んだ。本堂に向かい必死に訴えていた三井は、間一髪身をかわした。しかし、疲れきっていた吉王丸は動けなかった。
) k, S3 a4 C. m% {; f* [4 c9 }3 H: y* @) O* s* ?; u
「吉王丸!!!」
* Z$ D" h& g5 y& x( ^/ b6 U& ?- V$ A& o; z
得物一つも持たぬリョータも、自らに襲い掛かる白刃をかわすだけで精一杯だった。幼い富王丸に振りかかる刃を、どうしてやることも出来なかった。
4 t4 b: Y- y; `8 {$ T 程なく、騒ぎを聞きつけた僧兵たちが出てきて、侍どもを山門の外に追いやった。しかし、小さな身に幾つもの刀創を受けた二人は、既に彼岸の人となっていた。micchi14.net3 h/ ]9 Z8 D* N' z2 l3 T
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 本堂の一室に二人の遺体を寝かせ、リョータと三井は無言でその前に座っていた。さっきまで僧正が幼い二人の為に供養の勤行を行ってくれていた。三井はその間もきつく唇を噛み締め、堪えきれぬ涙を膝の上に落としていた。
5 F" z0 `7 T& ]5 U0 L7 l9 Vmicchi14.net リョータは、真っ白な上掛けを頭まで掛けられた小さな二つの体を、呆けたように見つめていた。何もかもに現実感がなかった。この一月の間、自分に差し伸べられた温かい手のぬくもりも、突然目の前で断ち切られたその幼い命も、全てが夢だったのではないかとさえ思えた。しかし、目の前には小さな二つの亡骸があり、自分の隣では生まれて初めて自分と友誼を結んだ男が、悲憤に暮れる姿があった。
% p5 N# d- t7 C+ A  b* q 三井が暗い声で呟いた。
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「許さねえ。あいつら、絶対に許さねえ!」
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% N/ x/ @0 s2 @7 K* S6 B- [& o三井は、自分の背後に置いていた父の形見の忍び刀を取り出し、刀身を一寸ほど引き出して、そのくすんだ刃をにらみつけた。三井の様子をじっと見つめていたリョータが言った。; P8 D4 c. M4 i4 k4 A% d' g

' |( z" k9 o1 G: B; e' p4 G* A「討ち死にするつもりかい?」
" S5 |9 [  B9 q4 {7 K「俺一人逃げ隠れして生き延びたって、何の意味もねえ。この刀でどこまでやれるか分からねえが、せめてひと暴れしなきゃ気が済まねえ」
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リョータはそれ以上何も言わず、しばらく三井と同じように僅かに引き出された刀身を見つめていた。ふと、その視線に気づいた三井が目を移すと、リョータの瞳に危険な色の光が宿っていた。
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; x" m# |* ?. _9 ?- u/ M5 b「その刀じゃ、もう人は斬れないよ」寿受主义——爱就是给他全部!5 n0 {3 G* \" _6 H9 O; P
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三井は腹を立てた。  ]; j" }! ^/ R! l

# ~) |' P% X9 W1 C「うるせえよ!俺にはこの刀しかねえんだ!同じ死ぬなら暴れるだけでも暴れてやるんだっ!」
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声を荒げる三井の目を、すうっとリョータの瞳が捉えた。三井は何故かぎくりとした。: B: @) W$ g6 c/ X3 W5 N2 b
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「オレだって同じ気分だよ。松平家への家族の恨みを晴らしたいんだろ?だったら、オレが手伝ってやる」micchi14.net/ e! [4 r; n1 S* p5 }
「手伝う?お前が?」
3 Z+ q- W& L( y# w. g「ああ。オレがその刀、打ち直してやるよ」
" y5 Z& u1 U3 \( ]  imicchi14.net「はあ?!」
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1 ~8 g. Z" l: o# ?3 E/ N( P リョータの父は腕利きの刀鍛冶だった。気難しい男で鍛冶屋町には住まず、伊勢の山村の外れで鋼を打っていた。
0 z8 Q. K8 F3 F7 R3 bmicchi14.net あるとき、村に渡り巫女が流れてきた。男はこの巫女と関係し、一子を成した。これがリョータだった。巫女はリョータが物心つかぬうちに流行り病で亡くなったが、何故かこの子は神がかり的な能力を母から強く受け継いだらしく、まだ小さな頃から虫や動物を使役したり、村人の病気や怪我を予言したりした。村人達は、狢の子だの狐の子だのといって、リョータを気味悪がった。
+ K' r1 k0 R3 m+ z  F! T5 }$ ~& f" o 元来人付き合いの悪い父は、リョータが村人から煙たがられていようと一向に気にせず、己の技能を丹念に息子に伝えてくれた。
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. Q( s8 r" l" F! O- e( b「だけどさ、扱ってるモノが悪かったよね。同じ鍛冶でも鍋や釜だったら、良かったのかも知れないんだけど。おかげでオレは、故郷の村には住めなくなっちまったのさ」
# p% n( L5 s% N6 w$ q$ ]micchi14.net「どういうことだ?」. P# \) L! O) `6 O- p$ u6 D; O/ A

1 v3 ]0 E2 X4 U; U寿受主义——爱就是给他全部!問う三井の顔を、リョータは見つめた。今までの口調とはうらはらな、真剣な目だった。寿受主义——爱就是给他全部!) n* P  {& d- j

* N3 x" B+ g3 p3 _$ Smicchi14.net「オレみたいなのが人を斬る道具なんか作っちゃいけないのさ。オレが打った刀は、オレの持つ巫力の影響を受けてしまう。きちんとした修行で磨いていない巫力なんて、妖力と同じさ。オレの刀は、持ち主が人を斬る理由、その一番どす黒い部分を投影して魔の性を持つ。そして人の血を吸うごとに妖気を帯びて、果てには持っている人を血に狂わせちまったんだ」+ S( E1 s; G0 t. w2 s9 W! s4 d
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三井は思わず喉を鳴らした。リョータが何を言わんとしているのか、少し分かりかけていた。* ]: P4 D0 f& U. A

% z. q; c8 o# N- Q4 P* j「オレがその刀を打ち直してやる。富王丸と吉王丸の無念を晴らすよう、全身全霊をこめて妖力を注いでやる。どのみち多勢に無勢だ。アンタ、死ぬ気なんだろ?だったら仕上げはアンタの血だ。そうすりゃ、この忍び刀が人から人の手に渡る度、松平家に不幸をもたらしてくれるよ」
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リョータの目は、それ自体が妖気を放っているように見えた。三井の瞳は真直ぐにそんなリョータの目を見つめていた。リョータの瞳から立ち上る妖気が、三井の瞳にも映ったようだった。  X5 [$ i' I0 b( M- ^( R( s! Z
 三井は鞘に収めた忍び刀をリョータの前に差し出した。リョータは頷き、がっしりと両手で受け取った。4 {. R3 R! h/ E, r
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 リョータは本證寺の奥の山に籠り、斎戒沐浴をして刀を打った。鋼と炭は本證寺にあったものを使った。リョータの巫力は本格的な修行もしていない不安定なものだが、それでも持ちうる限りの力をこの刀に注いだ。それは最早怨念と呼ぶようなものだが、この際それでも構わないとリョータは思っていた。
) e7 x# x' k  a# `寿受主义——爱就是给他全部! 仕上がった刀は、新品のように生まれ変わっていた。リョータはその刀に、父から受け継いだ、自分の刀鍛冶としての名を刻んだ。
; S' Q7 d- s* h$ v; o6 J/ Kmicchi14.net 翌朝、リョータは三井に刀を渡した。三井は鞘から刀を抜き放った。
0 I+ W3 z$ R# n- \6 d8 q' s 朝日を受けた刀は冴え冴えと輝いていた。しかし、その銀色の刃の周囲には、妖炎が青白く立ち上って見えるほど、魔の性を示す禍々しい妖気に満ちていた。三井は頷いた。
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% F" |. W" {% M: m/ x8 }; t( i「リョータ。ありがとよ」
- p; T, H! _7 w6 D* e9 Z寿受主义——爱就是给他全部!
2 x$ Z* K. D% i0 ]" lリョータは首を振った。micchi14.net' Z( a9 F6 H( _' R/ y( G! i; p
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「こんなんじゃまだまだ足りねえよ。オレの力じゃ、まだ不十分だ」
( N) ~1 E% c! t; C  R9 wmicchi14.net「分かってる。仕上げは、俺の血だ」6 g% R4 I* v" P4 {$ V! y3 N, q
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三井は本堂に上がり、富王丸と吉王丸に手を合わせた後、再びリョータに向かって言った。$ f3 L  j2 U# C! @- |+ e
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「じゃあな。リョータ」
$ M! A$ `6 z. T; S# _6 [+ O/ x「ああ。じゃあね」
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7 g6 i7 x6 C- K& E9 Amicchi14.net二人の、今生の別れだった。8 f. G) o7 Q# ^- U0 u( `% h0 k
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 本證寺の山門を出て、三井は山を下って行った。いくらも行かぬうちに、胴丸と具足を着けた侍が出てきた。$ N$ L# M; }+ Y6 ~- K, N

% ]( Q4 u( v* ]寿受主义——爱就是给他全部!「貴様、大殿の仇!三井寿王丸だな?」( |) i5 I2 k- m
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三井は現れた複数の兵を、ぎりぎりと睨みあげた。
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$ V5 k" ~( \4 {+ ~# z「如何にも!某は三井宗右衛門が長子、三井寿なり!三河の兵どもよ、かかって来やがれ!!」8 N0 F0 {; h7 K! I! v  T. o) Q' ]6 d
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三井は叫び、忍び刀を抜き放った。青くたゆたう妖気を纏った刀を振るう。まだ元服前に家を追われ、ろくに剣術の修行すらしていない三井なのに、三河の猛者たちを一人、二人と切り伏せてゆく。斬るたびに血塗れて重くなるはずの刀は、人血を吸うたびに羽が生えたように軽くなる。
9 x$ ?+ `! a! u9 j( w これは確かに、自分ひとりの力ではない。と、三井は思った。リョータの妖力により、今や妖刀となったこの忍び刀の助けがあってこそなのだ。三井は大いに力を得、右に左にと切り結んだ。0 h1 e! K8 \/ }6 G0 N
 しかし、斬れども斬れども敵は現れる。周囲は敵に取り囲まれ、幾つかの深手も受けて、諦めの悪い三井も腹を括らねばならなくなった。
5 S# s% J2 M  \6 ?6 U8 Qmicchi14.net(さあ、仕上げだ)micchi14.net  v+ M- U9 R3 L& p3 K4 W/ B
三井は妖刀を逆手に握り、声を張り上げた。
3 y- H  r8 A8 \5 d寿受主义——爱就是给他全部!寿受主义——爱就是给他全部!" h$ @( ^" B7 s, t7 P6 u" y5 u! g
「三河侍の手にはかからぬ!!妄念怨念となろうと、必ず松平家に禍してくれる!」
* q/ Z& a. |. y. g8 K% K寿受主义——爱就是给他全部!
1 r: y# U% j7 a, X三井は妖刀を腹にあてがい、自らの胴を真一文字に切り裂いた。3 c  W0 r, D6 S# f' V" V) O
 鮮血を噴きながら、三井はがっくりと膝を突き、倒れた。その手には、持ち主の血を吸ってなお冴え冴えと輝く、妖刀の刃が光っていた。三井の鮮血は青い妖気の揺らめきを帯びながら、本證寺のある山の地面に沁み、山全体に広がっていった。
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 本證寺に、何かが取り憑いたような怒りが満ちた。寿受主义——爱就是给他全部!( _+ \' y3 O; w
 三河の侍どもめ!本山の不入の権を侵害し、寺に駆け込んだ子供に殺生まで働いた上、仏を奉じる山門の目前で、かくも悲惨な流血沙汰を引き起こしおった。最早看過し得ぬ!
5 d8 }  o2 `: f  S" @ 本證寺は三河三箇寺と呼ばれる周辺の大寺院に声を掛け、さらに門徒であった桜井松平氏、大草松平氏など、松平元康に叛意を持つ者たちを巻き込んで、松平氏を二分する大騒動となる一揆を起こした。
) B4 @& C$ }1 k8 k% f" z/ m 叛乱は、実に一年の間続いた。- @4 b" y( ~" Z$ b" A# ]' _) K' f

& C+ l* d1 w+ Y' ], B4 s寿受主义——爱就是给他全部!
! A* x) j* r% ~# @( J寿受主义——爱就是给他全部!
; ^( i; s; \5 J' J: | 三ヶ根山から、狸憑きの弦召そは姿を消した。しばらくして、伊勢桑名に腕利きの刀鍛冶が現れた。刀も作るし、槍も作るが、数打ちをしないのであまり多くは出回らない。この刀匠の刀については、妙な噂もついていたが、それを欲する者も、また多かった。
* @) S. N- h  K2 m9 f  d0 Y 銀色に輝く見事な刃に加え、その周囲が妖気を帯びたように青くきらめくその刀の柄元には、件の刀匠の銘が彫られている。その名は『村正』。三河公殺害犯の子が、親の形見として持ち歩いていた忍び刀にあった銘と同じであった。1 v- y. ]) X9 R% r, z) [0 ^( l

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1 ]# }) @# V* @9 t/ B寿受主义——爱就是给他全部!【完結】
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9 u: R, d2 B# u. D) B( `寿受主义——爱就是给他全部!
  c) a8 C# x  c9 S- p- e9 P───補 足───micchi14.net8 M3 O5 K) y, C$ ]4 ~3 E
【村 正】:伊勢の国桑名で活躍した刀工の名であり、また、その作による日本刀の名でもある。! s0 i" w# H% K' J" j
 徳川家康の祖父と父が殺害された刀が、どちらも「村正」であるといわれ、また、家康の嫡男 信康が謀反の疑いで切腹を命じられた時、介錯に使われた刀も「村正」だったという。その他、様々な言い伝えがあるが、それらの因縁によって、徳川家は村正を忌避し、大名や旗本は村正の帯刀を避けるようになった。
( E5 l6 H" o" t$ |  ]% G 幕末期には、西郷隆盛をはじめ倒幕派の志士が、競って村正を求めたと言われている。
, {9 h" c& _- S% K7 Z8 ?─────────寿受主义——爱就是给他全部!" P; U1 {, p8 G$ g
( t5 F) G' O* ]$ F% @5 [
因为不是正式的切腹的礼法,所谓【切腹】没能写。ごめんなさい。
& y. H, f# C9 X1 k0 }: |. D並且、讀的諸位。这个是最最后一章。感谢!!

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飞筝さん的译文非常美丽!
. g+ s6 N+ i& [. S- o8 K( f. Qmicchi14.net对正确的译注也表示感谢。0 c$ d/ m; q- o) U+ Z
$ C7 x) B5 L! p$ L( n, |$ Q8 b
诸位给了很多的高兴的评语 m(_ _)m感謝!5 i8 {, F% j+ J* }6 N

8 n6 J& C; h; u7 D0 C; ]1 c阿米さん、我不能很好地写自己的心情。
4 K2 A" Y, y! Lmicchi14.net只只有能写的言词 非常高兴。谢谢6 z1 ?2 l; [* h  U* L* _) y
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活动还有半月。
2 l# p! d: H+ ?" W: X2 @很多地享受!
# Z, L9 {+ Q# r" v' \寿受主义——爱就是给他全部!
4 d. v6 ?8 b/ I9 W: i" L谢谢很多宝矿力~~~~~

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回复谢谢!!
4 C4 V0 H- x0 W( ~! j8 r% u我想高兴,我根据写的作品感到诸位各种各样事的。
. s) G" l# ]* _" W" Y. C好好地做的回答不能还抱歉 $ j: o, W3 ^- w. [, u& Q( t

7 v' ?, x$ \  M; Q. |. H- `- P寿受主义——爱就是给他全部!对了,「11区」是什么?

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引用:
原帖由 阿米 于 2012-10-29 22:06 发表
4 g/ m: w) I/ f4 U9 Q* v我百度了一下+ j- b: I7 K5 t+ y8 Q

# h. d4 d) ?: E; X. h$ R4 u/ i在动漫作品『コードギアス 反逆のルルーシュ』中,「日本」被称为「Area 11」,由此「11区」便成为日本的代称。7 o1 `" G6 K+ g, e

" D6 z9 Q$ B# y+ ~4 b  G* h寿受主义——爱就是给他全部!PS,看到日本友人也开始使用三井的动画表情小图,感觉心里很微妙……gomafu桑,你 ...
9 l/ H: Y0 J& D, j. J* r

  H1 {: q1 k0 i7 p' w4 o9 I& }6 t' }micchi14.net( X, @: H$ e, p
「Area 11」=「11区」!  是那个「11区」! 可不~~~  我开窍了 。
' X& x7 i2 @) X% d+ n1 H9 A) ]) j4 ?: v- h, G
大家非常很好地知道日本的动画片。我非常吃惊。- z8 n& O$ @* ^; p
8 n$ [9 D  P# u5 X7 r
三井桑的动画小图非常可爱的~~

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